歯周病は何が原因でなるのですか?
歯周病は細菌による感染症です。ヒトからヒトへ接触感染していきます。もし、母親が歯周病にかかっていたり、歯周病性細菌を持っていたりすると、その子供は生まれてから食生活が確立するころには歯周病性細菌に感染することになります。しかし、ほとんどの場合、その子供が成人するまでは発症することはありません。その理由は、歯周病になり難いとか、なり易いとかいった『遺伝的要因』および喫煙、加齢、ストレスなどの『環境要因』の二つの要因が関わっています。
歯周病の感染は、外部から感染した歯周病性細菌が口腔に長期間かけて定着し、悪い生活習慣が重なったときに発症します。最初の感染は、特に夫婦間や家族親子間の唾液を介するものと感染が疑われています。その歯周病性細菌は、いくつか特定されています。
遺伝的要因は、遺伝病などのようなはっきりした異常症状として現れるものではなく、歯周病になり易い、あるいは悪くなり易い、あるいは免疫機能に関わる遺伝的要因、といった個人個人のもつ遺伝的素因を指して言います。これらの遺伝的要因は現在様々な機関で研究されています。
環境要因のなかでは、喫煙がもっとも重大な有害物質とされています。ニコチン、タール、炭酸ガス、シアン化合物などが歯周組織のいろいろの機能を傷害することで歯周病を誘発したり、進行させたりすることがはっきりわかってきています。また、加齢は歯周組織細胞の新陳代謝や感染防御機能を低下させるし、ストレスも免疫機能を低下させるので歯周病の発症・進行に影響を与えることもはっきりしています。