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高齢者に多発する「食事中の窒息」 認知症や奥歯の噛み合わせとの関連性とは?〈週刊朝日〉

2019.02.05

「食べることが難しくなった」という方の4人に1人は認知症が原因といいます。「口から考える認知症」と題して各地でフォーラムを開催するNPO法人ハート・リング運動が講演内容を中心にまとめた書籍『「認知症が気になりだしたら、歯科にも行こう」は、なぜ?』では、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長で日本歯科大学教授の菊谷武歯科医師が、認知症の方に対する歯科の役割を解説しています。

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 認知症の方に食事を勧める際、食べもの自体にアピール力をもたせるとうまくいく場合が多いです。しっかりと濃い目に味をつける、色でメリハリをつける、良い香りをつける、冷たいものは一層冷たくするなどの工夫で、食が進みます。老人ホームでカレーライスが人気な理由もここにあります。食器についても配慮が必要です。認知症の方にとっては、食べものと食器の色や柄が区別しづらいことがあるからです。食器の柄が食べものに見えてお箸でつついたり、白いお椀に盛られたご飯がわからずに手をつけなかったり。食べものだと認識しやすいような食器に盛りつけましょう。

 また、食事中の音にも注意が必要です。テレビを大音量でつけていたり、コミュニケーションを取ろうとして過剰に話しかけたりすることも、認知症の方にとっては「情報過多」となり邪魔になってしまう要素です。過剰な団らんよりも静寂のほうが食事に集中できることが多いのです。

■危険な認知症の方の窒息事故

 窒息死は、交通事故死の倍の1万人以上もいると言われています。3年間、486人の高齢者の追跡調査をしたところ、実に51人もの方に窒息の経験が確認されました。詳しくみると、奥歯の噛み合わせが悪い方、認知機能が低下している方、食事を自分で食べている方に窒息事故が多いことがわかりました。

 認知症では、早食いや詰め込みすぎの方がよくみられます。「ゆっくり食べて」と言ってもどんどん自分の口に運んでむせてしまうのでとても危険です。料理を一口サイズに盛りつける、持ち上げて掻き込むことができない食器に変える、など工夫するとよいでしょう。しかし万策尽きた場合には、ペースト食などの誤ご嚥えんや窒息のリスクが少ない食形態に変更する必要もあります。

認知症の方の「自立支援」は大切ですが、「なんとなく食べているから大丈夫だろう」という判断ミスが仇になるケースが見受けられます。食の自立支援は「どのくらい食べたか」でなく、「どう食べられているか」でなくてはならないのです。そうでないと、認知症の窒息事故は決して防げません。

■「なぜ食べられないのか」原因を見極める

 私のクリニックでは、摂食・嚥下能力を10段階で評価していますが、まずは経験豊富な第三者が客観的に能力を評価することが第一歩です。当然慎重さは必要ですが、口から好きな食事をとることは、生きる活力や喜び、楽しみを与える重要な行為であり、とくに認知症の方にとっては、最後まで残せる生きがいとなります。さらに介護する側にも、力を与えることができるのです。

 老人ホームで鼻から栄養チューブを入れたお年寄りが自宅でゼリー食を食べられるまでになったり、余命数週間と言われて帰宅した方が、パクパク食べて半年以上元気に暮らしたりするケースもあります。家族と囲む食卓は、患者さんにとってよい刺激や活力になるのです。口から食べられない患者さんに気を使い、見られないようにこっそり食事をしているご家族もあるようですが、むしろおいしそうに食べる姿を見せてあげてください。

 摂食や嚥下機能に問題が起きた場合、その原因がのみ込みの問題なのか、食べる記憶の問題なのか、「なぜ食べられないのか」を正確に評価・解釈しないといけません。私たち歯科医師は、あくまでもエビデンスベースで診断すべきですが、患者さんへの食の環境や食べ方の提案は、その方の生い立ちや家族環境などを配慮した、一人ひとりに寄り添ったものでなくてはならないのです。

◯きくたに・たけし
1989年、日本歯科大学歯学部附属病院高齢者歯科診療科入局。同大学附属病院口腔介護・リハビリテーションセンターセンター長などを経て現職。東京医科大学兼任教授。専門は、摂食・嚥下リハビリテーション。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190126-00000006-sasahi-hlth&p=2
より転載

認知症の患者さん機能もニュースで取り上げられていましたがオーラルフレイル フレイル という言葉が最近流行っています。

また認知症と歯周病の関係性もきんねん報告されています。人間ドックの様に動けなくなってしまう前に若いうちからの定期的歯科受診が一番重要です。

また在宅歯科診療新宿区内でご希望の方は担当のケアマネさんか 新宿区健康部 にご相談頂ければ担当地区歯科医師会の歯科医師派遣も可能です。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190126-00000006-sasahi-hlth&p=2

 

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