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堀ちえみさん公表の口腔がん…手術患者の「生きる力」を支える装置 医師が語る

2019.03.26

タレントの堀ちえみさんが口腔がんの摘出手術を受けたことを公表されました。

 口腔がんの手術では、顎の骨や舌などを切除してしまう場合が少なくありません。話す、食べる、味わう、飲み込むといった、今まで普通にできていたことが不自由になるのは本当に辛い。顔かたちが変わってしまうこともあり、患者さんの苦しみは「筆舌に尽くしがたい」という言葉でも表すことができないでしょう。

 近年は手術の際、切除を最小限に止め、できる限り機能を残し、不自由になったところを人工の装置で補う治療が行われるようになりました(保険適用される場合もある)。

 私たちは話す時や物を飲み込む時などに舌や上顎を使っていますが、手術により舌が十分に動かなくなると、これらが難しくなります。「舌接触補助床」(ぜつせっしょくほじょしょう)は、舌を上顎に接触しやすくし、音を発したり物を飲み込んだりするのを助けるもので、上顎に付けて用います。

 顎の骨を切除すると歯もなくなり、かむことが難しくなりますね。特に上顎の骨を切除して鼻と口がつながってしまうと、話せないほか、口の中のものが簡単に鼻に入ったり、ストローで飲み物を吸うことができなくなったりします。「顎義歯」(がくぎし)は歯だけでなく顎の骨も補う入れ歯で、特に上顎では鼻と口の間を封鎖する役割も果たし、会話や食事ができるように働きます。

 「エピテーゼ」は、手術などにより目、耳、鼻、頬などが失われた時に、人工の目や皮膚などで顔のつくりを補うものです。単に目や耳、鼻の模型とは全く異なり、皮膚の状態や眼球の内部、複雑な耳の形などが忠実に再現されます。顔の一部を失った患者さんに対し、エピテーゼは外見や機能の改善のみならず、患者さんの気持ちの回復も目指す、本当に大きな意味を持つ装置です。

 これらの装置は歯科技工士が製作します。彼らの高い、精巧な技術が装置を通し、患者さんお一人お一人の「生きる力」を、そして医療を支えています。

 ◆筆者プロフィール 中塚美智子(なかつか・みちこ)大阪歯科大学医療保健学部准教授。歯科医師、1級キャリアコンサルティング技能士。「歯科医療の発展が日本を元気にする」と信じ、日々未来の歯科衛生士、歯科技工士の養成に携わっている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190323-00000050-dal-ent&fbclid=IwAR0O68olaQMWKICkWeSMT0mng6uIJGGzR7tkU3NiJlIVgLGeGp1kRnkOrh8

より転載

歯科技工士さんは3Kどころか4・5・6とも言われ歯科技工士の資格をせっかく取得しても離職率が非常に高くブラック業種であるんですが、最近歯科技工士さんをモチーフにした映画が公開されています。

映画『笑顔の向こうに』が2019年2月に全国のイオンシネマで公開される。

公益法社団法人日本歯科医師会の全面協力もと制作された同作は、歯科医療の現場を舞台に若者たちの成長を描いた作品。主人公の歯科技工士・大地役を初の歯科技工士役となる高杉真宙、大地の幼なじみで新人歯科衛生士・真夏役を安田聖愛が演じる。
https://www.cinra.net/news/20181015-egaonomukouni

より転載

残念ながら顎補綴は紹介されていませんが我々歯科医師の影の立役者であり歯科技工士さんなくしては日本の歯科医療はあり得ません。

当院では入れ歯が得意な技工士さん 詰め物が得意な技工士さん セラミストと呼ばれるセラミック専門の技工士さんとそれぞれタイアップして技工物の制作を依頼しています。

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