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マグネシウム不足が歯周病の悪化を招く 生活習慣病と低栄養の関係

2019.06.18

食と健康 ホントの話】

 「歯周病は、健康と病気の間、未病のサイン。その大きな原因の1つは、現代の低栄養です」

 そう話すのは、口腔細菌研究の第一人者、鶴見大学歯学部探索歯学講座(横浜市)の花田信弘教授。とくに生活習慣病と歯周病、低栄養との関係が深いという。その説明のために、まずは歯周病と生活習慣病の共通点、慢性炎症について説明しよう。

 歯周病は、歯ぐきの慢性炎症だ。歯垢(プラーク)や歯石、バイオフィルム(ネバネバする菌のかたまり)で守られた歯周病菌が悪さをすることで炎症が起こる。

 がんや糖尿病、心血管疾患、認知症などの生活習慣病も、慢性炎症が原因だ。たとえば胃がんの原因の1つは、ピロリ菌による胃粘膜の炎症だ。

 「約20年前までは、がんの原因は、ウイルスか放射線というのが定説でした。しかし今は、細菌と内臓脂肪による慢性炎症で説明できるようになりました」

 がんだけではなく、脳卒中や心臓病などをもたらす動脈硬化や糖尿病も、細菌や内臓脂肪による炎症で説明できる。細菌が体内に入る経路の1つが、口腔からだ。炎症を起こした歯ぐき(歯周ポケット)から、歯周病菌やそれらがもたらす内毒素が血管に入り、血流に乗って全身に届けられ、その先で炎症を起こす。近年では、唾液に乗って菌が直接腸まで届き、そこから腸もれ(リーキーガット)を起こして体内に入り込み、たどり着いた先で炎症を起こすこともわかってきた。

 内臓脂肪も、それ自体が炎症を引き起こす物質を分泌するため、多くの臓器が炎症を起こす。たとえば糖尿病は、メタボリックシンドロームによって悪化することと、歯周病との関係が有名だ。つまり、内臓脂肪と歯周病菌の両方からもたらされる慢性炎症が原因と考えることができる。

 この慢性炎症による悪影響を減らすために、現代の低栄養を改善する必要があると花田教授は話す。たとえば歯周病も糖尿病も、ミネラルの1つ、マグネシウム不足によって悪化することがわかっている。

 「マグネシウムをたくさん摂っている人は歯が抜けにくい、という研究データがあります。マグネシウムなどのミネラルやビタミンが不足する現代の低栄養は、好きなものだけを食べる食生活を送る人だけでなく、歯の少ない高齢者にも起こります。また、マグネシウムが不足すると、糖尿病の特徴であるインスリン抵抗性(インスリンが効かない)が発現し、やがてインスリンの分泌能力低下が起こります」

 マグネシウムの働きは多岐にわたるが、花田教授によると、傷口を治すときにも使われるという。歯周病による口腔粘膜の傷がマグネシウム不足で修復できなくなり、歯周病が悪化していくのだ。

 多くの現代人に不足しているマグネシウムだが、歯周病を治療すると血中のマグネシウム濃度が上がる、というデータもあるそうだ。

 「歯周組織で使われていたマグネシウムが、治療により血清に残る。ということは、糖尿病のリスクが下がるということにつながっていきます」

 現代人の低栄養は、食べても(中高年)、食べなくても(歯の少ない高齢者)起こる。食事による総カロリーの割合は、糖質(炭水化物)を少し控え、代わりにタンパク質と脂質を増やそう。ビタミンとミネラルも必ず摂ることを心がけたい。そして、歯周病の治療と正しい歯みがきを心がけよう。(医療ジャーナリスト 石井悦子)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190617-00000010-ykf-soci&fbclid=IwAR19tsFjlOzoZ26SEbEhknCZ6QKttoA_WI8U2SOFZrD_7ar10R_4GMBdGoY

より転載

原因は歯周病原性細菌であっても個体の免疫力や個体の生活習慣によって歯周病の発症や進行は抑えられます。その中の栄養学的にマグネシウムが関わっているかもしれないという記事ですが 当然マグネシウムだけ摂取していればよいというわけではなく 早寝早起き含めて全体的なバランスが必要ですよね。

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