全身疾患と歯周病
歯周病と全身疾患に関して
最近テレビコマーシャルで歯周病と全身疾患に関しての話がクローズアップされたものがあります。
歯周病と全身疾患のうちいくつかのものについてはその関連性や全身疾患への関与が疫学的データから
証明されたりしています。
歯周病と全身疾患のメカニズム
そのメカニズムは以下のような考えが現在のところ研究されて解明されています。
歯周病の症状は、歯周病性細菌に対する免疫系が歯肉部分で過剰反応することで悪化していきます。
通常、免疫反応は身体を守るために働くのですが、歯周病性細菌が歯肉に刺激を与え続けると、
歯周組織のマクロファージやリンパ球が産生するのは酵素類やサイトカイン類などが、局所(歯肉)に
蓄積します。酵素類はコラーゲン繊維などを切断・溶解する作用を持っています。サイトカイン類は、
IL-1(インターロイキン1)、IL-6(インターロイキン6)、IL-8(インターロイキン8)、
TNF-α(腫瘍壊死因子)など多彩な生理活性を示す炎症性サイトカインと呼ばれるタンパク質です。
これらは、血液中に入っていろいろの全身疾患に悪影響を及ぼします。
局所的に産生された炎症性サイトカインは、歯周組織に対して悪影響を及ぼすだけでなく、
血液を介して全身疾患にも負の影響をもたらします。
最近の研究では、糖尿病、心臓血管病、低体重児出産・早産などが歯周病に関連する疾患とされています。
また、肺炎、骨粗しょう症、腎炎、関節炎、発熱などへの関連も疑われています。
日本人の死亡理由について
日本人の死亡理由としてガンや心臓疾患と並んで肺炎が挙げられます。
特に高齢者に頻発する誤嚥性肺炎は口の中の細菌が原因であることは証明されています。
私は前職場である昭和大学病院に出向していた時に入院中の患者様のうち特に誤嚥性肺炎を併発しやすい
人工呼吸器装着患者様の誤嚥性肺炎防止のために院内巡回チームに参加しその防止に取り組んでまいりました。http://www.medsafe.net/contents/recent/60showa.html