歯周病が認知症に関与しているという説は本当か
2018.01.31
差し迫る超高齢社会を目前に、医療や介護、社会保障を脅かす”2025年問題”として非常に緊迫感を増しているのが、認知症患者の増加である。
厚労省によると、認知症高齢者数は2012年の時点で全国に約462万人、そして2025年には認知症患者が700万人を超えると推計している。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患するという計算にあたる。
認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ原因や症状が異なるが、その中でも認知症の大部分を占めるのがアルツハイマー型認知症だ。進行性の病気で、脳の細胞が死滅、機能が悪化することで、物忘れをはじめとしたさまざまな障害が生じ、日常生活に支障をきたす。歳をとれば誰にでも起こりうる身近な病気であることから、その予防、診断、治療法の開発が急務となっている。
近年になり、糖尿病や高血圧といった生活習慣病がアルツハイマー型認知症の発症と関連があることが科学的に証明された。すなわち、認知症の予防には日々の正しい生活習慣が重要である、ということだ。
そんな中で、予想だにしない事実が明らかになってきた。アルツハイマー型認知症に、なんと歯周病が関係している、というのである。
昔から「口の健康は全身の健康の源」と言われてきたが、アルツハイマー型認知症に歯周病が関係しているとなれば、糖尿病や高血圧にも匹敵する深刻な問題である。なぜなら、歯周病は50歳代以上のほとんどの人が罹患している疾患であるからだ。
簡単にいうと、歯周病の慢性的な炎症反応によって、アルツハイマー型認知症における脳の炎症が、さらに“増強”されるというわけだ。
アルツハイマー型認知症に
歯周病が関与する原因とは
もっとも、実際はもっと複雑だ。
すべての物質は脳内に入る際に、血液脳関門と呼ばれる“関所”を通過しなくてはならない。これは、脳へ血液中の有害な物質が入らないようにして、大事な神経細胞を防御する機構である。当然、人体に細菌感染が生じた際に作られる炎症性物質も、容易には脳内に侵入できない。
それなのに、なぜ、歯周病の炎症反応が脳内へ波及するのだろうか。
歯周病は先に述べたように慢性の炎症性疾患であるが故、その炎症性物質が、長期に渡って血液脳関門を攻撃することになる。その結果、患者によっては、血液脳関門が正常に機能できなくなり、炎症性物質が脳内に侵入する状況を可能にしてしまうと考えられる。
読者の方々にとっては驚愕の事実かもしれないが、口腔内に潜んでいるはずの歯周病細菌自体さえも、脳内へ侵入するのを許してしまうことがある。実際に、アルツハイマー病患者の脳から歯周病の原因細菌が見つかっているのだ。
しかし、現在のところ、このような歯周病がかかわる炎症反応だけで、アルツハイマー型認知症が発症するとは考えにくいとされている。認知症の発症時期を早めたり、認知障害の程度を強めたり、進行を早めるという病態を修飾する作用があるのではないかと考えられる。
アルツハイマー型認知症に歯周病が関係しているという事実を逆手に取れば、歯周病治療や口腔ケアをすることで、アルツハイマー型認知症の発症予防や、症状の軽減、進行を抑制できる可能性があるということだ。
簡単にいうと、歯周病の慢性的な炎症反応によって、アルツハイマー型認知症における脳の炎症が、さらに“増強”されるというわけだ。
http://diamond.jp/articles/-/157574?page=4
より転載。
寿命は確実に伸びてきているが 健康寿命という観点からいくと 老老介護や病院のたらいまわし
特養ホームへの入居困難や介護職の3K問題
色々これからのニッポンを考えると早く対策を打たなければということになる。
実際 健康=健口 はかなり認知されてきたが 半面健康保険は疾病保険なので 予防にはあまり厚く給付が無いのも実際です。
皆さまもたまには自分の口の中を見てみてはいかがでしょうか?
歯が痛くないから とか 痛いの治まったから とかで歯科医院に受診すると 回数かかる とか歯科に関する負の連鎖が始まりますよ。